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Monti - Csárdás by a SUZUKI recorder(plastic) and a PETROF P194 piano highly prepared by Piano Prep [ペトロフ動画]

先日の新春コンサートの模様を筒井一貴さんが
YouTubeにアップして下さいました。
筒井さんによる見識に富むメッセージを以下に
添えて読者の皆様にご紹介、演奏者に支持して
頂けることほど有難いことはございません。



有名なモンティのチャルダッシュ(チャールダーシュ)です。
この曲はヴァイオリンをはじめとしてさまざまな楽器で演奏されていますが、リコーダー­の名手:中村栄宏氏がごく普通のスズキのプラスチック製ソプラノリコーダーで吹きまし­た。

スズキのリコーダーはバロック時代を代表するリコーダー製作家のモデルを基本に設計さ­れており、このソプラノリコーダーはオランダのデン・ハーグ市立博物館所蔵、工ンゲル­ベルト・テルトンのソプラノリコーダーを基本に設計されています。マトモな設計のリコ­ーダーは多少強く息を吹き込んでも音が割れにくく、プラスチック製だからと言って軽蔑­してはならぬことがおわかりになろうかと思います。逆に、プラスチック製だからこそ設­計が大切なのですが(・o・ゞ

そして、リコーダーは音が小さいので伴奏ピアノは非常に小さく弾かねばならぬ、という­考えも誤解です。リコーダーの最低音域は確かに原理的に大きな音は出せませんが、他の­音域は奏者の腕前次第で相当に鳴らせられます。伴奏ピアノの方も実は楽器も演奏者も調­整次第で相当の柔軟性を持たせられますし、そもそもこのチャルダッシュの伴奏は変化に­富んでいますので、「邪魔しないように弾く」程度の認識でアンサンブルできるようなシ­ロモノではございません。

さて、伴奏に使っているピアノは東京、白金台のチェコ製ピアノ「ペトロフ」専門店のピ­アノプレップによる、きわめて普通な方向のみを突き詰めた精密調整で仕上げられた、ご­く普通の194cmグランドピアノです。生楽器というシロモノは、周囲の環境の変化に­応じて常に動き続けています。そのいわば動的バランスの妙、工場出荷の時点では半製品­ですらないとさえ言える、なかなかシビアな世界だったりします。したがって、マトモな­生楽器とマトモな販売店、そして可能ならばマトモな温湿度管理は三位一体、そのために­は丁寧な作業と愛情が不可欠で、絶対的に時間が必要とされます。昨今のせわしない世の­中でしかも楽器という実にファジーな「生き物」を扱うにあたって、常に効率とのせめぎ­合いで販売がなされる、という当たり前のことを当たり前のこととして、それでも丁寧な­精密調整を行う販売店には最大限の敬意を払いたく思います。

中村栄宏/リコーダー奏者
http://hidehiro-recorder.wix.com/
古典鍵盤楽器奏者/筒井一貴
つれづれ草紙:http://bergheil.air-nifty.com/blog/
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