SSブログ

ヨーロッパ製ピアノ vs 国産ピアノ [ピアノ・メンテナンス]

ヨーロッパで作られたピアノは日本の気候に
馴染まないのでは?とお客様から質問される
ことが時々ございます。本日はそれについて
メンテナンス作業とからめて書き綴ります。
ちょっと長くなりますが、ご参考までに...

まず午前はP131M1マホガニー艶出モデル。

12744668_1783205755232124_8555678306071156282_n.jpg

生徒達の伴奏が多いという音楽教室の先生に
昨年ご購入頂いたものです。一戸建ての1階、
湿気の影響もあって少々ピッチは高めに変化、
441Hzからご希望の440Hzに下げ調律でした。

5.JPG
まずはチューニングピンをきれいに

12747402_1783205838565449_2838860286078534139_o.jpg
ハンマーの位置をひとつずつ確認

12244527_1783205921898774_7715212394193910737_o.jpg
鍵盤の高さを正確に整えます

10486239_1783205871898779_6681349819707441157_o.jpg
アクションパーツの位置も正しく調整

886918_1783205935232106_4964954893632521774_o.jpg
ハンマーストップの位置も揃えます

12747430_1783205775232122_6755811134258939862_o.jpg
調整を終えてから調律を実施

12716363_1783205941898772_1306298263769411136_o.jpg
最後は外装&ペダルをクリーニング♪


午後は別のお宅で国産グランドピアノです。
納品して3年弱、アクションの状態はやっと
落ち着いてきたのですが、温度湿度の変化を
受けて調律は大幅に低下、436Hzから元通り
442Hzまで念を入れてピッチを上げました。

12697150_1783205815232118_9211592358362349107_o.jpg
ピッチが極端に低いため調律を優先

1801202_1783206001898766_2845777501833123711_o.jpg
ハンマーの高さに凸凹が...

3.JPG
鍵盤の高さを紙パンチングで修正

10317551_1783206005232099_1053575368703508357_o.jpg
鍵盤の高さを整えていきます

12711276_1783205975232102_477049908749007822_o.jpg
ジャックの高さも再調整

10357795_1783206035232096_5487540252062156201_o.jpg
ここでハンマーの高さをリセット
アフタータッチも再び揃ってきました

980808_1783206115232088_929161344674691849_o.jpg
グランドピアノのハンマーストップ調整

12698224_1783206088565424_8098737166699907462_o.jpg
硬いハンマーフェルトに針刺しヴォイシング

10295417_1783206111898755_8637812052184463591_o.jpg
乾燥で緩んだネジをもう一度増し締めします


要は温度・湿度に影響を受けるのは日本製も
ヨーロッパ製も同じということ。あまりにも
極端な変化は調律や調整の狂いを招きます。
中には楽器の生命線である「響板」が割れる
ことも...。国産ピアノも例外ではありません。

特に日本は冬場の乾燥、梅雨の季節がある為
ピアノ部屋に湿度計を置いてチェックする等
日頃から楽器をケアする意識が大切!

これから購入される方は正しい知識をもって
ピアノをお求め頂けたらと思います。
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。