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メンテナンスの意識 [ピアノ・メンテナンス]

弊社ショールームを正式にオープンしたのは実は2013年の今日、7/3はチェコを代表する作曲家レオシュ・ヤナーチェクの誕生日でもあります。

そんな記念日にピアニストの嬉しいご来訪もありながら、年月を経た国産GPを手入れ。
以前勤務していた職場からの依頼とあって今回は特別にショールームに搬入しました。

現在はペトロフ専門に対応しておりますが、店主は工房からキャリアを築いたこともあり、中古ピアノのリニューアルも違和感なし。

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まずは弦のクリーニングから...
ビフォー(左)/アフター(右)

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乾いた布できれいに汚れを拭います

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チューニングピンのクリーニング
ビフォー(左)/アフター(右)

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フレームの汚れも綿棒で掃除...

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ピンの狭い隙間も、真鍮製アグラフも
きれいにクリーニング

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磨き上げた結果、名誉のマメが...

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真鍮棒で「駒打ち」、弦の振動をロスなく
駒に伝えるために密着させます

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音程が著しく低下、ひとまずA=442Hzに
ピッチを上げるべくざっと調律を実施


気持ちよく演奏するためには、タッチや音色を均一に揃えるメカニックの調整が必要です。

ピアノの将来を考えるなら、楽器内部の弦や金属製パーツの汚れ・錆の予防・除去作業は欠かせません。

輝き・艶を失ったペダルや外装も、こまめにワックスやコンパウンドで磨いてあげれば新品のような光沢に戻すことが可能です。

残念ながら工房時代に入荷してくる中古ピアノは毎年の調律記録は残っていても、アクション、鍵盤は未調整、金属部品も錆ついた状態、そんな品物ばかり。
店は売りっぱなし、調律師も音合わせのみ、ピアノ業界の悲しい状況を目の当たりにしてきました。

どんなに素晴らしい楽器でも「調律」だけでは音質のムラやタッチの狂い、錆や汚れによる劣化を防ぐのは不可能ですが、この事実をユーザーはどこまでご存知でしょうか。

新品に近い状態、また心地良い状態を維持するためには、調律師、ユーザーの両者がピアノに対して、「メンテナンスの意識」を共有することが必要最低条件です。

ピアノ使用者もしくは購入を検討される方は楽器だけではなく、後々の管理についてもあわせてご一考頂けましたら幸いです。

作業はまだまだ続く...
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